2014年12月11日

 道灌の時代・企画展の「寶生寺文書」等 

東武東上線武蔵嵐山駅西口から徒歩15分で、埼玉県立嵐山史跡の博物館・菅谷館跡へきます。車の場合は、関越道嵐山小川ICから約10分です。この博物館で「企画展・道灌の時代、戦国時代は関東から始まった」が、開催中です。
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(博物館入口)       
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(菅谷館跡説明板)
  私は先に横浜市の寶生寺(ほうしょうじ)を訪れ、そこに太田道灌の重要な文書が伝わっていたことを知って感慨を深くしました。しかしそのときには、その文書を拝見することができずに、残念に思っていました。この度はからずも、その文書の真筆に出会うことができました。
 この企画展示で、寶生寺蔵の「太田道灌禁制」と「太田道灌書状」の本物が展示されています。道灌の筆跡はまことに達筆でその花押もおもしろいものです。道灌の書状の筆跡を、友人の書道家南房泰碩氏に見ていただいたところ、「書体から考えると、道灌の人柄は几帳面かつ多才で、当時は心身ともに疲れていたと思われます、なぜならば、行の下方で右に流れているからです」とコメントしてくれました。その当時太田道灌は、1478年(文明10)1月から3カ月間も小机城を包囲していたので、軍事指揮と後方指揮で疲労困憊に達していたことは間違いありません。
そのほか私の興味を著しくひいたのは、安保(あぼ)文書の「後花園天皇綸旨写」です。これは、足利持氏追討の綸旨です。「太田道灌状」には「天子の御旗」という表現が、類似の表現をふくめて10回もでてきます。この御旗とは、1455年(享徳4年)後花園天皇から下賜された足利成氏追討の「関東御退治の綸旨」と天子(錦)の御旗です。これらの綸旨がよりどころとなり、上杉氏(幕府方)と古河公方の権力二重構造がつづいたのです。道灌の大義は、この権力の二重構造を解消し、都鄙の和睦すなわち関東御静謐を実現することでした。そして道灌は、九分通りその業をなしとげたところで、大義を理解しない者たちにより、命を断たれました。
今回の企画展には、その他、「太田道灌状」はもちろん「鎌倉大草紙」「松陰私語」「上杉定正状」や道灌の「軍配団扇」「大園寺古天明霰釜」などが展示されているので、太田道灌研究者や道灌ファンにとっては必見と思われます。
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(菅谷館跡の空掘跡)         
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(畠山重忠像)
菅谷館跡は、総面積13万平米 という広大な平城の址で、国指定史跡の「比企城館群菅谷館址」として保存されています。複雑に配置された土塁や空堀が良好に残っています。菅谷館は鎌倉時代に、桓武平氏の嫡流畠山重忠の居館であったけれども、畠山家没落後に山内上杉家に属していました。
道灌没後、1488年(長享2)道灌の子太田源六郎資康は、若干13歳にして、父を謀殺した扇谷上杉家を去り、山内上杉側の菅谷の陣中にいました。 
道灌の文学の友万里集休は、その年8月17日に菅谷陣中の資康を訪ね、36日間も滞在してしまいました。菅谷原の合戦は激しく、万里は「両上杉戦死者七百余、馬亦数百疋」(梅花無尽蔵)と記しています。激戦の陣中に36日間も滞在するとは、それだけ万里の道灌遭難に対する悲しみは深く、未練は強かったのです。
菅谷館址から254号線を車で小川町方面へ5分も走ると、天台宗の成覚山実相院平澤寺(へいたくじ)という古刹と白山神社へ来ます。入口に「旧平澤寺跡」「太田資康詩歌会跡」と題した磁器の説明板があります。ここは菅谷原の合戦中に、太田資康の軍営があった所といわれています。万里集九が菅谷滞在中の1488年(長享2年)9月25日に、資康は万里のために、ここで月を愛でながら詩歌会を開いて送別の宴としました。資康は万里の、父道灌に対する好意に謝し、おそらくは二度と出会うことはないであろうお互いの行く末に感慨を馳せながら、戦陣の中でしばしの憩いの時を持ったのでした。万里は、道灌が戦陣のなかでも歌を詠んだことを思い起こし、関東武士が軍営にあって風雅を楽しむ風習を称え、西国にはその風習がないと言い、さらに資康の武運を願い、越後を目指して旅立ちました。
企画展・道灌の時代「戦国時代は関東から始まった」は、埼玉県立嵐山史跡の博物館で2014年12月6日(土)から2015年2月22日(日)まで開催されています。博物館の企画展観覧後に、史跡を逍遥し、太田資康と万里集九の思いを偲ぶのもまた一興であります。
この記事へのコメント
道灌の時代・企画展の「寶生寺文書」等 : 道灌紀行は限りなく
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Posted by wwjfbxyto at 2014年12月14日 06:08
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