2013年01月22日

《道灌余話》太田道灌の遺愛品

2013年1月2日から2月24日まで、江戸東京博物館で「尾張徳川家の至宝」特別展が開催されています。展示品の出品リストと音声案内によると、展示されている香木のひとつは、太田道灌所用とされています。これを機会に、現存する太田道灌の遺愛品をとりあげてみます。
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(江戸東京博物館の正月かざり)

1.香木伽羅(きゃら)「蘭奢待(らんじゃたい)」
今回の江戸東京博物館(東京都墨田区)で展示されている小さな香木は、源頼政、太田道灌、東福門院和子が所用したものです。これは越前の結城家(松平家)より徳川将軍家へ献上され、秀忠の八女・東福門院和子が所用し、尾張徳川家へ伝わったとされています。
伽羅はインド原産の香木です。「蘭奢待」とは、聖武天皇の代に中国より東大寺に伝わった名香で、「蘭奢待」の文字の中に東大寺の三字を含みます。長さ1.5メートル、重さ13キログラムで、足利義政、織田信長が勅許を得て切り取ったと伝えられています。
清和源氏の嫡流源頼政が、どういう経緯で「蘭奢待」を入手したかわからないけれども、それは頼政の子孫である太田家に伝えられ、道灌、資家、資頼、資正、資武が所持したと思われます。太田資武は、越前の結城秀康(徳川家康二男)の家老となったので、蘭奢待は、次に述べる琵琶とともに秀康に献上されたものと思われます。

2.道灌遺愛の琵琶「千鳥」
1590年(天正18年)、片野城(茨城県石岡市)にいた太田安房守資武は、越前の結城秀康に招かれて北の庄(福井市)へ移り、八千石を知行する重臣となりました。資武が父資正から受けつぎ所持していた太田道灌遺愛の琵琶「千鳥」が結城秀康に献上され、現在は福井市立郷土歴史博物館の越葵文庫(収蔵庫)に保管されています。この琵琶を見るためには、福井市教育委員会に許可を申請しなければなりません。おそらくは道灌が、静勝軒でこの琵琶を弾じ、客人をもてなしたのだと思います。

3.道灌遺愛の軍配団扇
茨城県石岡市の常陸国総社神社には、太田道灌奉納の漆皮軍配が伝わっています。その軍配は、1668年(寛文8年)太田資宗、資次(掛川太田家の初代と2代)寄進銘の箱に収納されています。太田道灌が石岡まで来た記録はないので、岩槻城に伝わっていた道灌の軍配を、片野城(石岡市)に入った太田資正が所持しつづけ、晩年に総社神社に奉納したものと私は推測しています。この軍配は茨城県指定有形文化財です。この軍配には、十二支などが記され、兵法に長けた太田道灌の采配を思い起こさせます。そのレプリカは、埼玉県立歴史と民俗の博物館(さいたま市)に展示されています。
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(常陸国総社神社)

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(市谷亀ヶ岡八幡宮)
東京都新宿区の亀ヶ岡八幡宮の境内に、新宿区教育委員会の説明板があり、道灌の軍配団扇の事が、次のように記されています。
「古記録には『団扇一本右者太田道灌所持品図左之通』とあり、左に軍配団扇の図が記してある。当八幡宮には右記のものとして伝えられる軍配団扇が現在も保存されている。木製の柄に竹を編み、間に紙を挟み、表面は黒紫で漆を塗って仕上げてあるが文様、文字はない。製作年代は未祥であるが、太田道灌ゆかりの軍配団扇として伝えられており貴重である」。
この団扇は、3年に1度、8月15日に行われる当神社大祭で公開されます。

4.道灌愛用の茶釜
東武野田線七里(ななさと)駅から徒歩5分で、曹洞宗の大園寺へきます。この寺は、1525年(大永5年)岩槻城主太田資高の夫人陽光院が開基となり創建されました。この寺には、陽光院が寄贈したと伝えられる道灌愛用の茶釜「古天明霰釜(こてんみょうあられかま)」があります。天明は現在の栃木県佐野市あたりの地名で、古天明は「西の芦屋、東の天明」といわれた茶釜の双璧の一つです。大円寺の「古天明霰釜」は、さいたま市指定文化財工芸品です。
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(大園寺茶釜の説明板)

5.伝・道灌の頬当て
神奈川県伊勢原市の実蒔原古戦場から大山の方へ向かうと、日向薬師(ひなたやくし)があります。石段を登り少々息が切れたころ境内につき、茅葺屋根の面白い本堂に出会います。「新編相模国風土記稿」(1841年)によると、日向薬師の宝殿には道灌の頬当てがあります。この頬当ては、革製で錆び色です。現在、日向薬師は改修工事中であるので、当分の間境内に入ることはできません。
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(お正月の日向薬師)

6.伝・道灌の鎧
神奈川県鎌倉市の鶴岡八幡宮には、太田道灌が奉納したと伝えられる鎧一式があり、桔梗紋がついています。神官の話では、その来歴は不明ということです。この鎧は、現在一般には公開されていません。
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(伝・道灌奉納の鎧の桔梗紋)

7・伝・太田道灌着用の鎧、伝・道灌作の大黒天木像
滋賀県草津市の太田酒造の会長は、岩槻系太田道灌18代の子孫太田實則氏です。その道灌蔵には、桔梗紋が打たれた、伝・太田道灌着用の甲冑が保管されています。また太田道灌作と伝えられる大黒天の木像も陳列されています。特別な縁により太田家に渡ったこの木像の裏側には、「長禄元年、道灌之を造る」という銘が入っています。
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(太田酒造の酒蔵)

   
8.道灌の雲版(うんばん)
東京都板橋区の曹洞宗の円福寺は、開山を雲岡俊徳、開基を太田道灌とし、1479年(文明11年)川越に創建され、1608年(慶長13年)この地に移転しました。太田道灌が当寺を創建した際に、茶室にかけた青銅製の雲版(色紙額)が保存されていて寺宝となっています。このことは、板橋区教育委員会の説明板に記されています。
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(板橋区教育委員会の説明板)

我が国の博物館等では通常、残念ながら、写真撮影は許可されません。したがって、道灌の遺愛品を見るには、現場に行くしかありません。時には、教育委員会等からの特別の許可証が必要になります。


この記事へのコメント
《道灌余話》太田道灌の遺愛品: 道灌紀行は限りなく
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