2013年04月23日

「道灌紀行」お勧め探訪地20か所

筆者の「道灌紀行」探訪地は200か所となりましたので、現在、それらの探訪記を、「道灌紀行」(増補版)として出版する準備をしているところです。
さていよいよ、山吹の候となり、行楽シーズンを迎えました。この時節に因み、「道灌紀行」お勧め探訪地20か所を考えてみます。これらは、私の一存で、観光的視点から選んだ史跡あるいは伝承地です。歴史的に興味深いところ、絶景のところ、なんとなくおもしろいところなどがたくさんあり、選ぶのに苦労します。各項に、少々のコメントを添えます。

1、ちょこっと行ける、東京都内の道灌スポット
@東京国際フォーラム(東京都千代田区)
朝倉文夫氏制作の太田道灌像が、江戸城を向いて立っています。着物に、太田家の家紋「桔梗」と「違い鏑矢」が浮き出ています。
 35.浅田氏撮影太田道灌の写真 031.jpg     
(太田道灌像)     
A新宿住友ビル前広場(東京都新宿区)
道灌を助けた黒猫たまちゃんが、いい玉を抱いています。都庁横なので、待ち合わせスポットに役立つところです。道灌と黒猫たまちゃんの因縁は、台座の詩に述べられています。
  19.新宿の玉チャン.JPG 
(新宿の黒猫たまちゃん)
B日暮里駅前(東京都荒川区)
先駆けする太田道灌の騎馬像「回天一枝」の像と碑文があります。今は、道灌像の上を舎人ライナーが疾駆しています。
 36.日暮里駅前.jpg
 (「回天一枝」の像)

2、道真・道灌縄張りの城址
@江戸城址・江戸城東御苑(東京都千代田区)
北桔橋門から入ると、道灌築城当時の面影をのこす乾濠が見えます。石垣の高さは約30メートルです。
本丸跡に、巨大な天守台があります。明暦の大火復興の任についた第4代将軍徳川家綱の大政参与保科正之(初代会津藩主)は、江戸の街の復興を優先し、天守閣は建築経費が巨額すぎるとして予算をカットし ました。以来今日にいたるまで、天守は再建されていません。
 江戸城乾濠.JPG
 (北桔橋門からみる乾濠)
A川越城址(川越市)
二の丸跡にある川越市立博物館の太田道灌コーナーには、道灌木像のレプリカや「太田道灌状」など関連文書の複製があり、たいへん勉強になります。近くの大手門跡(川越市役所)に、太田道灌像があります。
B岩槻城址(さいたま市岩槻区)
ここは今、全国的に有名な人形の町です。近くの岩槻区役所跡地には道灌の文人像があり、芳林寺には、勇壮な道灌の騎馬像があります。

3、道灌、悪戦苦闘の古戦場址
@石神井城址(東京都練馬区)
豊島一族との激戦の地です。城址の三宝寺池は植物と野鳥の宝庫です。
A臼井城址(佐倉市)
臼井城攻めの激戦で、道灌の弟・太田資忠が戦死しました。臼井城三の丸址に、太田資忠の墓(太田図書の墓)が立っています
 太田図書之墓.JPG 
 (太田図書之助資忠の墓)
B小机城址(横浜市)
みごとな土塁と空掘りが、よく保存されています。中世山城の見本のような縄張りです。文明10年、道灌は、この城を3か月間包囲したあと、奇襲により攻略しました。

4、散策コースベスト3
@小磯城址(大磯市)
太田道灌軍と越後五郎四郎軍の古戦場で、今はみごとな庭園になっています。城山の下の、織田有楽斎ゆかりの茶室「城山庵」での一服をお勧めします。
A菅谷館跡(嵐山町)
道灌の没後、万里集九がこの地で道灌の嫡男資康と会い、36日間も滞在しました。ここは、熟年夫婦が木漏れ日をあびて、のんびり散歩するところです。
菅谷館址.JPG
(菅谷館址)
B大庭城址(藤沢市)
太田道灌の縄張りと伝えられています。広い城域で、こどもが駆け回ることができます。

5、道灌の伝承地
@山吹の里歴史公園(越生町)
4月下旬に、山吹3000本が咲き乱れます。近くに道灌出生地の三枝庵と道灌の墓所龍穏寺があります。
A夢見ヶ崎・加瀬山(川崎市)
道灌築城伝説の地で、周囲の眺望は絶佳です。子供のための動物園があります。
B細間の段(下田市)
道灌の時代からの石切り場跡は、まことに奇観です。そこから望む太平洋は、天下の絶景です。
 9.細間の段・石切り場).JPG
 (石切り場跡)

6、おもしろい崖城と山城
@鉢形城址(寄居町)
長尾景春の築城と伝えられる、荒川の崖の上の城です。鉢形城歴史館では現在、関東管領上杉顕定の企画展(2/16〜5/6)が行われています。この展示は、相当の力作です。その中で、顕定は道灌の勧め(地形肝要)に従い、平井城から鉢形城へ移ったと説明されています。それはさりながら、道灌が今現れたら、やはりこの展示を敬遠するでしょう。
A金山城址(大田市)
道灌が訪問した山上の本丸(実城)に、みごとな石垣があります。道灌が「近比名城」とほめた難攻不落の堅城です。
 33.金山城址.JPG 
 (金山城址の石垣)
B熊倉城址(秩父市)
太田道灌と長尾景春の最終戦の地です。道の駅「あらかわ」の背後に見える逆すり鉢型の山城です。クマ出没注意の看板があります。

7、道灌有縁の社寺
@靜勝寺(東京都北区)
毎年7月26日、道灌の命日に道灌まつりが行われます。毎月の26日に、道灌堂の太田道灌木像を拝観することができます。
A洞昌院(伊勢原市)
1486年(文明18年)に、道灌が非業の最期を遂げた地です。道灌墓所には、道灌にかかわる、いろいろな記念碑があります。

願わくは、この季節に、道灌の史跡あるいは伝承地1か所を訪ねていただき、困難な時代に、「関東御静謐」をかかげて、関八州を駆け抜けた道灌の志操と行動を偲んでいただくことであります。